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TAMのブログ

長文を書きたいとき用に

スニーカーを履いたシンデレラ―喜多見柚SSRセリフに関する考察

去る2月16日、待ちに待った喜多見柚のSSRエピソードが追加されました。

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エピソード追加に伴い、デレステ内のセリフも多数追加されています。特訓前はいつも通り楽しく遊んでいるセリフが大半ですが、特訓後には柚の考え方やスタンスが見えてくるようなセリフが多くありました。

今回の記事ではその中からいくつかをピックアップしつつ、そこから見えてくる喜多見柚というアイドルの考え方や、このエピソードで語られたストーリーについて、筆者なりに考えてまとめていこうと思います。

 

※喜多見柚SSRのセリフネタバレ等が大量に含まれます。また、この記事の内容はあくまで筆者の一解釈にすぎないことをご了承のうえでご覧ください。

柚の「成長」について

 シンデレラガールズに登場する多くのアイドルは、トップアイドルもしくは自分の目指す姿に向かってひたむきに努力しそれを実現していくことが、そのアイドルの「成長」として語られます。これは非常に分かりやすいストーリーですし、シンデレラガールズに限らず多くの物語で登場する、ある種の王道と言えるストーリーでしょう。

 しかし、柚の場合はそれとは違う「成長」のストーリーを描いています。

 

 特訓後の親愛度MAX時のセリフをご覧いただきましょう。

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 柚は自分から目標に向かって前向きに努力したり、頑張ったりするような性格ではありません。そのためアイドルという場においても、トップを目指すであるとか自分の弱い所を克服するなどといった明確な目標を持ってアイドルをしているわけではありません。柚はこれを「特別でない」「普通」と表現しています。実際、アイドルになるきっかけも、街中でスカウトされ「面白そうだったから」なった、というとても単純なものでした。

 その代わり、与えられた状況をめいいっぱい楽しむという事については、他の誰よりも長けているアイドルです。アイドル活動においても上を目指して努力するのではなく、アイドル活動そのものを楽しむということをとても重視しています。

”面白いかどうかがイチバンだよっ!” ― [ひらめき☆アンサー]喜多見柚

 アイドルとして輝くためには、他のアイドルにはない魅力が必要です。そのためにひたむきに努力を重ね、人を魅了するパフォーマンスを手に入れてファンを増やしていく、という選択肢もあったでしょう。しかし柚はそれをせず、またプロデューサーもそれを強要するようなことはしませんでした。楽しいことに向かっていく柚の気持ちを優先し、「柚が楽しんでアイドルをする」という事を念頭に置いたプロデュースを行っていたのだと思います。

 そうしてアイドルとして結果を出すことのできた柚は、先頭に立って頑張るわけではない「普通」な自分でも輝けるんだと驚くと同時に、それを許してくれたプロデューサーに対して感謝の意を述べています。

 ただ筆者が思うに事実はむしろ逆で、「普通」な柚のままでアイドルを続けられたからこそ、沢山のファンを惹きつけるアイドルになれたのではないでしょうか。楽しいことが大好きな柚のことですから、無理をして頑張ってもアイドルとしていい結果は出せなかったでしょう。嫌々努力したり無理に自分を変えていくのではなく、楽しい気持ちを持ったまま成長を続けていけたからこそ、その楽しい気持ちをみんなに届けられる、自分の「楽しい」で皆を楽しくさせていける、そんな素敵なアイドルになることができたのではないか。筆者はそう思います。

 ”楽しく歌ったら、その楽しさがファンのみんなに伝わるような…そんな歌声になりたいかな。” ―喜多見柚 ぷちデレラ・ホーム

 

「がんばらない・目指さない」アイドル

 SSRの特訓エピソードでは、また別の表現で、この柚の考え方について語られています。

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 特訓コミュでは、先ほども述べた「頑張らない」そして「目指さない」ということに関して、改めて柚の口から語られます。

 何かを目指そうとして嫌々ながら努力を続けるというのはよくある話です。しかし、柚はそれを好みません。目標のために楽しくないことを無理にやるくらいならば、最初から目標を立てなければよいのだ、というのが柚の考え方です。

 これは少し穿った見方をすれば言い訳や逃げの言葉にも聞こえてしまいますが、決してそうではありません。

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 最初から何か明確な目標を持ってやるのもいいですが、何かを始めようという時にはまず最初に「やってみたい」という気持ちが起こるはずです。柚はこれを何よりも大事にしています。

 やってみたいという気持ちに正直に従ってものごとを始めれば、当初は意図していなかったことに気付いたり、意図していなかったものを得たりすることもあります。それは、当初に決めた目標を達成することだけを目的にしていては決して手に入らないものです。

 目標に向かって突き進むだけでは、得られないものもある。それを知っているからこそ、あえて目標を定めない。「結果」ではなく「過程」に重きをおくことで見えてくるものを、柚はとても大事にしているのです。

”頑張りすぎないで楽しむ!柚のポリシーなんだー。へへっ♪” ―[イノセントカジュアル]喜多見柚+

(15歳である柚がなぜこの考えに至ったのか?というのも非常に興味深い議題ではありますが、それについては残念ながら根拠となる資料が一切ありません。いつの日か柚の口から語られることを期待しましょう)

 

スニーカーでもプリンセスになれる

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 これは特訓後のルームでのセリフです。ここまでを読んで頂いた方であれば、この言葉の意味は分かっていただけるでしょう。

 「スニーカー」は「『普通』な自分」「そのままの自分」を喩えています。上を目指そうとしない自分でも、またそんな自分を無理に変えようとしなくても、アイドルとして輝ける。無理に着飾ろうとしなくても自分は輝けるんだということを、この言葉は意味しています。

 

 しかし実は、この言葉には隠されたもう一つの意図があります。これまでの柚の歩みを知ることで、この言葉の裏の意味を理解することができます。

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 こちらは[フード☆メイド]喜多見柚の特訓エピソードです。明るく活発なイメージのある柚ですが、一方でこのように「あまり前に出るタイプではない」性格である、と自分で話しています。先ほど「与えられた状況を楽しむのに長けている」という話がありましたが、自分から動き出して楽しめる状況を作り出すのはあまり得意ではないようです。アイドルになったのも、スカウトという受動的な理由ですしね。

 また「なぜスカウトされたのか」についてはいまいち得心していない描写があるなど、自分自身に対してあまり自信のない性格であることが伺えます。

 あまり積極的に自分を出さない、出せないという性格は、自分の魅力を売りにしていくアイドルにおいては致命的なものです。このことは自分でも自覚しており、直していかなければと思っている部分でした。

”柚さ、昔から、目立ちたがる子じゃなかったんだ。でも、○○サンが望むなら、フリフリにも慣れないと。ちょっとずつアイドルっ” ―[フレンズホリデー]喜多見柚+

 

 このことを踏まえると、先ほどの「スニーカーでもプリンセスになれる」というセリフがまた違った意味を帯びてきます。 

 自分に自信のなかった子が、「着飾らない、ありのままの自分の魅力で勝負できる」と言えるようになったということ。ガラスの靴がなくても自分はシンデレラになれるんだという言葉を、柚が自分から口にしたという事。セリフ自体もそうですが、これを柚が自らの口で語ることが出来るようになったという事実が、何より柚の成長を表しているのです。

 自分を前に出すことを恐れていた少女がアイドル活動を通して自分の魅力に気づき、そして「変わらないままの自分でアイドルとして輝ける」と言えるようになった。この「スニーカーでもプリンセスになれる」というセリフは、柚の確かな成長を象徴したセリフであると言えるでしょう。

 

おわりに

 長々と書いてきましたが、如何だったでしょうか。

 今回のSSRは、喜多見柚のアイドルとして・人間としての成長が描かれた素晴らしいエピソードだったと思います。これを実装してくれたデレステ運営には感謝するばかりです。

 ……ですが、柚の物語をこれで終わらせたくはありません。私は、もっと柚の物語を見たい。アイドルとして輝く柚の姿を、もっと沢山見せてほしい。

 

 もともとこの記事はダイマを目的とした記事ではないのですが、それはそれとしてやっぱりダイマはさせてください。

 昨年の第5回シンデレラガール総選挙では、柚は全体11位、僅かのところでボイス圏内に届きませんでした。もし今年も開催されるなら、去年のような悔しい思いはしたくない。柚に今度こそ輝ける舞台を用意してやりたい。そう思っています。

 もし、この記事を読んで「面白かった」と少しでも思って頂けたり、柚に少しでも興味が沸いて頂けたのなら、ぜひ第6回シンデレラガール総選挙では喜多見柚に投票をお願い致します。